【実録】ネコ裁判  「ネコが訴えられました。」 -2ページ目

指輪---その3---

気が付いたら大捜索は30分にも及んでいました。


「台を動かして出てきたチャリ銭は発見者の物」という暗黙のルールも出来上がって……

その後をモップ掛けするおっちゃんと店員という図式まで完成してたりして……。












一大捜索が大掃除。


皆、目的が出来たのか……嫌がる様子もなく重い台の移動を積極的にやっている。


チャリ銭パワー恐るべしっ!!!


……などと冷静な分析をしつつも一番必死で探すワタシ……。















ええ……そりゃ当事者ですから……。


全てのゲーム台と全ての自販機を移動してチェック。

「こんな遠くまでは絶対ありえないだろ」って位置までチェック。


最後の最後の超大型筐体も動かしてみましたが……










ありませんでした……。


おっちゃん  「お~~~い……指輪無いぞぉ……。」

ヒゲ帽子   「端まで見たけど指輪ないぞぉ……。」

タロウ     「あ……ありがとう………ありがとう………















どうしよう………いやマジで………。


とりあえずその場は笑って繕うも……顔面蒼白が更に蒼白。


















透けてるかもしれないくらい蒼白。


探してくれたお客さん一同にも一人一人お礼を言って回る。


おっちゃん  「もし指輪が出てきたらちゃんと取っとくから安心して……。」

タロウ     「あ……ありがとう……おっちゃん。」


とは言ったものの……














問題は今日をどう乗り切るかって事。


おっちゃんと二人で呆然としていると、お客と店員は動かした台の微調整をしている。


タロウ     「ホントにすいません……。」

おっちゃん  「まぁ……今日は大掃除も出来たし問題ないよ。」


と無理無理フォローしてくれるおっちゃん。


おっちゃん  「おっ!!そうだ……。皆、頑張ってくれたからジュースでも買ってやるかな。」

タロウ     「あぁっ!!それならボクが買いますっ!!僕に出させてくださいっ!!」


小銭をポケットから鷲掴みながら小走りで自販機に向かう。


タロウ     「何人いますかぁ?」

おっちゃん  「そうだなぁ……。」


と……おっちゃんカウントしている。


ワタシも小銭をカウントしている……と………














指輪があった。















小銭の中に指輪があった。


でも今更「ポケットの中にありました」って言えますか?

自販機の前で固まっていると……

おっちゃん  「12人だな。」

と話しかけてくる。

おっちゃんと目が合う。

おっちゃんワタシの手の上の小銭を見つめる。

おっちゃん  「…………。」

タロウ     「…………。」























おっちゃん  「指輪あった。犯人コイツ。」














めでたしめでたし。

……となるはずだったんですが案の定、軽くボコられました。

いや~~~でも一時はどうなるかと思った。

嫁にボコられる事を思えば軽いもんです。

それからというもの、ゲームに熱中する時はキーホルダーに格納する事にしています。

次号新章。


※中京TV「聞いてみやぁ!」 更新。   出会い系はヤバイでしょ?